この連休は勉強会参加のため三宅は上京した。
当日はあいにくの雨。
女満別ー東京便の機窓から
景色の撮影ができるか危惧しながら座席に着くと、
なんと隣は幼児を抱く妙齢の母親であった。
『あー・・・』
通路を挟んでその子どもの父親と姉が座っているのだが、
スーツ姿のオッサンの隣が幼児(推定2歳8ヶ月)となると、
状況は恐らくCAさんからみて微妙である。
要するに背広オッサン+子どもの配置はリスクがあると、
『極力避けるべき』と、航空会社側は考えているのではないか。
という想像が三宅の頭をよぎる。
果たして離陸前にCAさんが飛んで来た。
「手前の席が空いておりますので・・・」
と、親子にではなく三宅に向かって言うのである。
しかしCAさんの指し示す席は通路側であり、
三宅は窓の外が見たい男であった。
どう断ろうか迷っている刹那に隣の母親が、
「ダイジョブです」と言ったため三宅も頷く。
しかしCAさんの三宅を見る目が鋭い。
結局はその子どもは大して嫌がることはなく、
母親のテクニックを持ってして
1時間半のフライトを終えた。
これは旅慣れている親子だ。
ベルト着用のサインが消え、
機外へ出ようとするとその母親は、
「すみませんでした」と
小さく三宅にお礼を言ってくれた。
いえいえ、ご家族で立派でしたヨ。