「三宅君のネクタイ以外の格好を見たことない。」
と言われたことがある。
確かに会合や診療の際に
ネクタイ着用を欠かしたことはない。
日本の歯医者の格好は、
白衣かケーシーが主である。
白衣にはその形からネクタイが
必然ではないかと思うのだが、
あまり業界的に一般的ではない。
三宅の仕事着は青い白衣に
ネクタイが必須だ。
三宅が大学卒業後の研修先に選んだのは
東京の昭和大学歯科病院、
小児歯科学教室であった。
三宅の入局当時、
小児歯科には高橋先生と言う先輩イケメン先生がいた。
日産スカイラインが似あいそうな高橋先生は
甘いマスクとダンディな声の持ち主で、
患者様の母親や歯学生、
ひいては三宅の同期生からも
人気の高い先生だった。
高橋先生は外来当番の際には
必ずネクタイをされる方なので、
三宅も真似をしてネクタイを
付けるようになったのである。
もとより童顔の三宅は、
「歯医者に見えないのではないか。」
という不安がある。
ゆえにネクタイは個人的な
<風貌対策>でもあり、
現在でも変わらず
三宅の涙ぐましい努力は
続けられているのである。
さて、女性が男性にネクタイを贈る場合の意味は、
「私、あなたに首ったけよ。」
なのだそうだ。
何年か前、三宅の誕生日にスタッフ一同から
ネクタイをもらったことがある。
我がスタッフであれば
三宅に「首ったけ」というより
三宅の「首絞めたい!」かもしれぬ。
しかし、このネクタイは三宅が
<大の>お気に入りであり、
特別な日に着けている。
スタッフからプレゼントされた
ネクタイの柄は
「ドラえもん」であった。