「カルテの山」とは、
予約制の医療機関で
予約の時間に間に合わず、
患者様のカルテが
溜まってしまうことを指す。
この「カルテの山」は多くの
歯医者にとってプレッシャーであろう。
三宅が開業前に勤めたどこの歯科の
歯医者もスタッフも平常心を
<少々>欠いてしまい、
得も言われぬ雰囲気を三宅は味わった。
誠に言い分けがましいが、
歯医者の手技は「手術」そのものであり、
予定通りに進行しない場合がある。
<麻酔が効かない>
<思いのほかむし歯が深い>
などの理由である。
不測の事由が重なると
カルテが溜まる。
三宅が見てきた限り、
その歯科の診療台の数より多く
カルテが溜まると、
その診察室の緊張は急速に上昇する。
みやけゆう歯科医院では
「カルテの山」になると、
まず主任「ささき」が早足になる。
副主任の「さとう」は黙々と急いで仕事を進める。
「いしかわ」は慌てずクールに、
「おおたに」は笑顔を絶やさず
やっぱり仕事をする。
そして三宅は
< 頭から蒸気が出る >、
もしくは、
< 口から火を吹く >である。
もちろん火は出ないが、
本人は傍から見てそうなっているに
違いないと確信している。
ブログを書いて気づいたが、
「カルテの山」の際、
三宅だけがゴジラになり、
スタッフはクールなのである。
そして山場が過ぎた休み時間に
主任が、
「混んでいますから、(患者様との)お話もホドホドに。」と
やんわり三宅に釘を刺すのである。
もしかすると、原因は
<麻酔が効かない>
<思いのほかむし歯が深い>ではなく、
三宅の長話であったのだろうか・・・。