院長の「なんていうか」日誌

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模型が好き

三宅は子供の頃から模型が好きである。
どこだったか幼少の頃に行った
温泉地の玩具屋で大きなサイズの
鉄道模型を見て父に、
「これ動かして。」と
せがんだのを思い出す。


小学校の理科室にある、
石器やガイコツの模型も好きだったし、
果てには保健室にある
眼病の病態模型にまで魅了された。



中学時代は類を見ない「ガンダム」の
プラモデルブームであった。
入手は困難を極め、
抱き合わせ販売や、
「ガンダー」などと
まがい物販売も横行した。


三宅も購入が可能であれば
模型雑誌を参考に極力改造した。
もちろん北見の老舗模型店「鳩屋」の
常連であり、作品を制作しては
ショーケースに展示してもらっていた。


もっとも、三宅の得意とするのは
親指の大きさほどのサイズであり、
大きなサイズが華だったガンダムブームの中では、
マニアックな路線だったと思う。
それでも、いくつかのコンテストに
自分の作品が入賞した経歴を持つ。




歯科大に入学する際に
多くの親戚から、


「有ちゃんは手先が器用だから、
いい歯医者さんになるわね。」


と口々に言われたし、
ガンダム」で培った
特別な自信もあった。



歯科大学3年生になると、
いよいよ歯の勉強が始まり、
しばらくして歯の模型を「彫刻」する
実習がはじまるのであるが、
ここで自分に模型を作る才能が
あるのではなく、
単なる<凡人>であることを、
<特別ではない>ことを、
嫌という程に
思い知らされたのである。


上手いヤツはとことん上手い。
同級生にはもと歯科技工士もおり、
課題をクリアしていくスピードも
上手さも全く敵わなかった。


卒業までに皆一定の技量が得られ、
今では同級生の多くが歯科医院を開業している。
でも、上手いヤツは今でも上手いだろう。



しかし、三宅は歯医者になって
新たな悩み事が出来た。
「歯の模型」が欲しくて
たまらないのである。



「仕事のものだからイイじゃない。」


と家人は言うが、
仕事にほとんど使っていない
何万円もする歯の模型が、
既にみやけゆう歯科医院には
ゴロゴロ転がっているのである。



これは秘密なので、
そっとあなたの胸にしまっておいて欲しい。



お願いだ。