院長の「なんていうか」日誌

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はじめての歯みがき

先日買った犬用クッキー、
「ポチのおみやげ」
が送られてきた際に
歯ブラシが入っていた。



[アイケンサマヨウ]である。
送られて来た時、
思わずブラシの硬さを確認してしまった。
職業病である。
サイズ的には大型犬の為のブラシだ。


ちなみに、
三宅家のアイケンサマ、
チョコは歯みがきの経験が無い。
基本的にドッグフードなので
必要ないかと思っていた。


スタッフ[おおたに]家のアイケンサマ、
[おおたに りんりん]は歯みがきを
しているのだそうである。
もっとも、
「ものすごく嫌がります。」
との話だった。
歯みがきのプロたる
歯科衛生士が苦戦するのだから
犬の歯みがきは難しいものに違いない。
そう推測する。



ネットで犬の歯みがきについて
調べてみると、


「歯みがきしたくてもさせてくれないと
お悩みのオーナーさんも多いと思います。」
ふむふむ。


「まずは普段のスキンシップからはじめて、
口の外側を触られるのに慣れさせることからはじめます。」
あれっ?どこかで・・・


「歯ブラシの使い方は、歯と歯ぐきの溝に45度の角度であてて、
前後に動かすバス法というのが効果的です。」
なんだろこれ。



犬が慣れるまで、人間の子供の歯みがき方法を説いている。
慣れたら大人の歯みがきをして下さいとの事だ。
この文章を読む限り日本の人間と犬との
歯みがき方法の理論に違いはない。


人間と犬の歯みがきが
同じやり方と聞くと
なんだか妙な気持ちである。



では、
三宅家のアイケンサマ、
チョコの歯みがきをしてみよう。
あらためて言うが、
いままで歯みがきをしたことは無い。


チョコがじっとしていられないことは明白である。
家人と協力してはじめての
歯みがきが行われた。


まずはチョコの身体を家人が抱き、
三宅が口元をおさえて、
口の中をのぞき込む。
職業上、
口の中を観察してしまわざるを得ない。


・犬歯に歯石とおぼしき着色を認む
・歯肉には濃い色素沈着が認められる
・目視では歯肉炎は認められない


ふむ。
では開始。



(犬歯を磨いている)

チョコは意外にじっとしていると思った瞬間、
急に小刻みに動き出した。
頭を左右に振るのでやり難いが、
無論、三宅は歯医者であるので
驚くに値しない。
左右に動こうが平気である。
しっかり上下のアゴを手で握り、
目的を完遂する。


しかし、犬歯の歯石は落とせなかった。
今後どうするか考えてみよう。



(前歯を磨く)



最後になってチョコは、
「キュイ〜ン。」と
小さく情けない声で訴える。
「降参」と言っているのである。


特に前歯が嫌だったらしい。
おまけに涙目で目が赤く
泣いていた。
またしても「ヘナチョコ!」
と思ったが、
まあ、初めてだしね、チョコ。



初めての歯みがきは、
人間の子供と変わらない感触であった。
基本的に哺乳類は遺伝情報として
歯みがきしないように
出来てるのであろうと
これまた妙な納得があった。



初めての歯みがきに
チョコはご褒美として
ビスケットを与えられた。





・・・あれ?