院長の「なんていうか」日誌

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「ハッピーフライト」(2008)

ウォーターボーイズ
スウィングガールズ」などの
傑作邦画を世に送り出した
矢口史靖 監督の映画である。


ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]

ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]


ANAのホノルル行き1980便が
ちょっとしたトラブルから
飛び立った羽田に帰ってくるまでを、
パイロット、
キャビンアテンダント
整備士や
グランドスタッフなどなど
たくさんの人々が支えている様を
描いた[群像劇]である。
そう言った意味で
前の2作品の体験成長モノとは
趣を異にする。



映画に登場する
航空機、ボーイング747
15日間無償でANAが
貸してくれたのだそうだ。
流石、ANA。
就職したい会社上位常連の
会社だけの事はあるのである。



この映画では、
「ベテランと若手」という
仕事上の普遍的な人間関係を
登場人物すべてに双方を登場させ
見事にそれを描いている。
劇中にあるベテラン整備士と
若手整備士との確執にも似たやり取りは、
歯科の世界でもよくある話であって、
観ていて冷や冷やしたし、
忘れられぬ三宅の先輩方を
思い出してゾッとした。



国際線デビューとなる
若手キャビンアテンダント
斎藤悦子(綾瀬はるか)が
劇中で経験する話は
少々やり過ぎかと思う。
例えば、食事のカートを
移動させようとしても
通路にはゴミがいっぱいで苦労する。
などという具合だが、
実際にそんな事あるのだろうかと
ちょっと?マークが頭に立つ。



しかし矢口監督はそんなこと
百も承知であろう。
大げさに役者を立ち回らせ、
飛行機に関心のない観客を引き込み、
映画の最大の見せ場である
[着陸]にかけて
プロの仕事ぶりを見せながら、
見事に物語を収束させていくのである。



見終わると、
「みんなプロだよなー。」と
爽快感がみなぎる。
そして自分の仕事にやる気が出る。
そんな気分にさせる優れた作品だ。


実際にANAにお勤めの方が
この映画をどう評価するか
お聞きしたいものである。






大人の時間にどうぞ。