院長の「なんていうか」日誌

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ポニョの父親

今日、みやけゆう歯科医院では
午後から「崖の上のポニョ」を
ビデオで流していた。
他のジブリ作品でも起きるのだが、
子供はもとより、
大人もポニョを凝視してしまい
三宅の話も聞いてもらえない状況が
起きるのである。


三宅も気をつけないと
凝視して固まってしまうか、
自然に憶えてしまった
ポニョのセリフを、
「はやく海に戻しておくれ。津波を呼ぶよー!」
とか口に出してしまうと大変なので、
院内で放映するには
緊張を強いる作品である。




ポニョは終盤に
劇的な事が起きる。
科学的に説明しにくい。
もとより宮崎作品に科学的な検証など
問うてはいけないのだ。
三宅の父親は論理的じゃなかったり、
筋道が通っていないと気が済まない性質であった。
そんな父が「ポニョ」を観たら、
「こんなことがあるか!」と
さぞかし憤慨しただろう。



近年の宮崎駿は劇中で
すべて説明する事をしないようになった。
「説明していない事は、
どうぞご自由にご想像下さい。
もしくは、解説本でもご覧なさい。」
という彼のスタンスである。



そういう訳なので、
ほとんど説明されない
ラストシーンの落ちも、
ポニョ達のその後も、
ストーリー性を重んじる人には
受け入れられないだろう。
父に説明しなくて良いのは
ありがたいが、
今日、みやけゆう歯科医院に来た
患者様のポニョへの食いつきを見ると、
論理的な物語かどうかなんて、
大した問題ではないのだと思う。






それにしても、フジモトが好きだ。
ポニョの父親である彼は、
きっと子供たちの目には
「悪役」としか捉えられないだろう。
ポニョを観た子供たちが大人になり、
改めてフジモトの心情を
分かってもらえる日が来るだろうか。




父親は長生きしなければならぬ。
そうでなければ悪役で終わりである。