院長の「なんていうか」日誌

みやけゆう歯科医院のオフィシャルページ

ランドリ君

「先生、大変な事になってマス。」



歯科衛生士の[いしかわ]が
三宅を機械室にある洗濯機の
ところまで呼び寄せて言った。


「ホラこれ。」


[いしかわ]はニコッと笑って
給水口である蛇口をひねった。
すると蛇口とホースのつなぎ目の
部分から見事に水が噴き出して
噴水の様な状態だった。


「ありゃー。」



みやけゆう歯科医院で
用いている洗濯機は、
忘れもしない、
平成3年3月に
三宅が国家試験を終え上京する際に
秋葉原電器店
冷蔵庫、電子レンジ、ラジカセなどと
共に洗濯機を購入したものである。
ちなみに、
その洗濯機の名前は
「ランドリ君」という。


つまりは、
三宅が歯科医師になった年数と
同じだけ年を重ねた盟友と言えよう。
みやけゆう歯科医院の開業以来、
18歳の彼は日々洗濯をしていたが、
ついに故障してしまったのであろうか。
先日、ランドリ君と同じ時に購入した
18年目の冷蔵庫が
突如まったくさっぱり
冷やす能力を失って
買い替えたばかりだった。



家人に話すと、


「もう古いからねー。替えなきゃダメかな。」


と冷静に言うが、
自分が古いと言われたみたいで
なんだか悔しい。


しかし、毎日数回洗濯が必要な
みやけゆう歯科医院で
洗濯機が使えないのは大問題である。
18年前の洗濯機の部品があるとも
この日本では考え難いので、
先の冷蔵庫の例もあるし
すぐさま電気屋へ走るのが
院長の責務と思えるのだった。


それでも、
意外に執念深い三宅は
付き合いのある電気屋へ連絡し、
修理が可能かどうか
見てもらう事にしたのである。



結果は、
洗濯機ではなく、
水道の蛇口が割れているのが原因で
洗濯機「ランドリ君」は
何の問題もないという事であった。
慌てて電気屋へ走らなくて
よかったのだ。
三宅はどうにか、
苦楽を共にした盟友を
失わずに済んだのである。



直ればまた黙々と洗濯を
こなすランドリ君であった。



まだまだ、
これからもよろしく、
ランドリ君。