院長の「なんていうか」日誌

みやけゆう歯科医院のオフィシャルページ

銀杏


実家のそばの公園には
銀杏(いちょう)が
8本ほど並んで植えられている。


みやけゆう歯科医院を建てた時、
庭木の候補の中に
三宅は銀杏の木を入れていた。
葉の形が個性的で、
秋の彩りも美しいからであった。


しかし、
銀杏は母を含め
建築士からも
「やめたほうが・・・」と
口を揃えて反対された。
「お寺の木だから」という理由である。



そう聞いた時、
昭和大学の研修医だった15年前、
当時医局に来ていた留学生を連れ、
医局の先輩と鎌倉にある
鶴岡八幡宮へ観光に
行ったことがあるのを
思い出した。


ここには見事な「大銀杏」が
本殿への階段の途中に
あることを思い出した。
800年ほど前に
源実朝がこの大銀杏に潜んでいた
甥子の刃にかかって
落命した話である。


なるほど、
家に植えるような
良いイメージではないと、
銀杏の植樹を
断念したのである。



毎年この落葉する時期になると、
実家のそばの銀杏には
たくさんの市民が訪れ、
銀杏の実が無いか
木の下で歩いて
探す姿を見る事が出来る。
強者は銀杏の木に登り、
ゆすって実を落とすのだ。
60にもなろうかと言う
大人が木の上に登って
木を揺らす様は
なんだか「さるかに合戦」を
見るかのようで、
少々微笑ましいのだが
誤って木から落ちやしないかと、
また心配にもなるのである。


銀杏は原産地の
中国でもよく寺院に
植えられるのだそうである。
我が庭には植えられなくても
美しい木に違いはない。




金色の
小さき鳥の
形して
銀杏散るなり
夕日の丘に



     与謝野晶子