現在オーストラリア在住の
Ａさんは３年ほど前に
みやけゆう歯科医院に通っていた。
Ａさんは美人であるために
シャイな三宅としては十分な勇気もなく
聞くに聞けなかったのだが、
オーストラリアには
遊びに行っているのではなく
志を持って留学しているのだと
勝手に想像している。
先月から帰国して
クリーニングに通院してくれた
Ａさんは診療の最後に
三宅からこう説明された。
「・・・こちら側は歯に
不安な要素もございますので、
すぐに歯科にかかる事が出来ない
彼の地では硬い食べ物など、
粘りのあるお菓子などに
くれぐれもお気をつけ下さい。」
その時Ａさんは苦笑いをしていたので、
甘いモノがお好きなのだろうと、
ちょっと言い過ぎちゃったかなと、
そう思ったのだが
帰り際に、
「あの・・・、これ皆さまでお召し上がりに
なってください。」
と、きれいなオレンジ色の
紙袋を三宅に渡してくれた。
チラリと中をのぞき込むと、
上の写真にある
どー見ても甘く粘りのありそうな
オーストラリア製の
チョコレート菓子であった。
「あっ、お菓子。」
思わず口から出た三宅の言葉に
Ａさんは再び苦笑し、
丁寧にお辞儀をして
またオーストラリアに
飛び立っていった。
中に入っていた
チョコレートでコーティングされた
ビスケットは甘い異国の
香りがする。
