みやけゆう歯科医院に通院していた
Y君は良くしゃべる幼稚園児である。
大人っぽい話をしたり、
「ママーっ。」っと
泣きながら母親を呼んだりと、
いろいろな顔を持っている。
むし歯の治療の際、
麻酔を嫌がった彼は
三宅にこう言った。
「よだれ!」
「唾がたまったかい?」
「よだれ出ちゃう。」
「うんうん、お姉さん先生が取るから。」
ずずず。
「あーーーーー(怒)」
幼稚園児くらいだと
口の中が小さいから
水を溜めているのも大変だし、
それを器械で吸うのを
嫌う子は多い。
Y君はうがいの後、
三宅と担当の衛生士に向かって、
「よだれ出しちゃうぞ!」
「え?」
「よだれぇ!」
ピチャッと床に落ちる「よだれ」。
いいのよ、Y君。
よだれを出しても、
みやけゆう歯科医院では大丈夫。
「よだれ」っていい響きだよね。