院長の「なんていうか」日誌

みやけゆう歯科医院のオフィシャルページ

うさぎ


みやけゆう歯科医院に通う
Sちゃんはあまり歯医者が
得意ではない女の子である。


定期的に通ってくれているが、
時折、歯が欠けたりして
治療の必要な歯が見つかると
この世の終わりのように
全身で絶望を表現し、
うなだれる。
もし意図的に演じているなら
大女優であるが、
どうみても本心であろう。


先日の治療の際には
なかなか診察室に
入ってこなかった。
それでもなんとか
治療を終える事が出来たが、
親の敵のように
三宅を睨むのである。


子どもの治療は
ラクではない。
ともかく心が鍛えられる。


そんなSちゃんは
先日の治療の際に
すんなり銀歯を付けて、
セメントが固まるまで
綿で何かを作っている。


「ほれ」


彼女が右手を差し出して
診察台の上に作られた
ちいさなウサギを指し示した。


「かわいいー。ちょっと写真撮るから待ってて。」


カメラを取りに行って帰ってきたら
鼻が広がって自慢気なSちゃんが
ウサギを見つめていた。



治療を恐れていた子どもが
笑顔を見せてくれるほど
嬉しい事はない。


そのうちに歯科の受診を
なんとも思わなくなるように
みやけゆう歯科医院で
慣れてくれると良いと、
Sちゃんの笑顔を見て
切に願うのだった。