院長の「なんていうか」日誌

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恩師について


冬の一日、中学校の恩師を送った。


2年前にお会いしたときは
あまりに元気そうで安心したものだが、
聞けば既に病を患われていたようである。


もしかすると中学のときの同級生が
来ているかと淡い期待をしたが、
会葬者の多くはご親戚の方ばかりであった。
ご高齢の方が多かったので、
大人の中に一人中学生がいる様な気分になった。


もっとも北海道では葬儀よりお通夜を重視する嫌いがあるので、
通夜に仕事で行けなかった三宅が通夜に来た同級生を
見ていないだけの話なのかも知れない。
しかしながら勝手に母校の代表になった気分になった自分は
相当お調子者だと思う。



中学時代の三宅は職員室に行くことを
何とも思っていなかったので、
ちょくちょく担任のもとへ行き話を聞いてもらった。
もちろん部活動や進路についてなのだが、


「朝食を食べたくないのだがどうしたものか」


などと今思えばどうでも良い様な話の方が多かった。
それでも先生は嫌な顔をすることなく
一つ一つ丁寧に答えてくれたものだ。



凛として厳格な教諭であったと思う。
決して拳をあげることなく、
優等生からチョロ助まで
クラスメイト一人一人を尊重してくれた。
ダメなものはダメと言い、
修学旅行で深夜に騒いでいた三宅たちを
凄い気迫で叱り飛ばした。



そんな思い出に浸りながらお経を聞いていると、
ふと先生が三宅の側に立った様な感覚に陥った。
映画やドラマの「アレ」である。



『来てくれたのか三宅』



斎場で一人泣く三宅はやはり中学生の様に見えたのであろう。