院長の「なんていうか」日誌

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ゴーゴーエプロン


歯科衛生士の主任[ささき]が
三宅の元へやってきてこう言った。


「先生!ゴーゴーエプロンが・・・」


ゴーゴーエプロン!ってなんだろう。
スタッフの着けているエプロンの商品名であっただろうか。
知らなかった。
院長たるものこれではいけない。


それにしても良い意味で『軽い』名前である。
ネーミングセンスはどこか昭和だ。



「レントゲン室の・・・」


レントゲンで使用する鉛入りエプロンだったか。
真面目な道具なのにシャレた名前だと
瞬時に感心したが[ささき]は困った顔で
こう重ねた。


「先生、『防護エプロン』です!」


『防護』と『ゴーゴー』と聞き間違えたのだ。三宅が!



交錯する会話を横で聞いていた
歯科衛生士の[おおたに]がゲラゲラ笑っている。



昭和は三宅であった。