昨日の事。
朝の診療室に入ると診療用のメガネがない。
どうしたことか。
よもや三宅の知らぬところで
三宅のファンが持ち去ったかと想像をめぐらすが、
いくらなんでもそれはあるまい。
やむを得ず[メガネなし」で診療に立つ。
実際にはさほど目が悪い訳でもなく、
必要なときは拡大鏡を用いるので
通常の診療にはメガネなしでも困らないのである。
しかし患者様の前に
メガネなしで話しかけるには勇気が必要だった。
どうやら三宅の『仮面』の一つの様であると
気づいた次第である。
それでもメガネをしていなことを指摘する
患者様はいらっしゃらなかった。
普段ネクタイの柄について指摘して頂く
患者様も何もおっしゃられなかった。
スタッフもおっしゃられなかった。
三宅の仮面はさして気にされていないということだろうか。
診療も終わる頃、
そのメガネは連休中に片付けていた
三宅の机の上の書類の間から
こっそり見つかった。