顔見知りのスズメでも
やはり用心深くて、
三宅とは一定の距離を置く。
距離を置いて後に三宅に向かって鳴く。
「ジィッッ！」
正直言って鳥の言葉は分からぬが、
きっと怒っている。
小さい頃に従姉妹の家にいたカナリヤが
あまりに騒いだ三宅兄弟のために
カゴの中で『ヒィヒィ』と
怖々鳴くのである。
やっぱり言葉を持っているのだと思う。
従姉妹のケイコちゃんは
「ほら怖がってる・・・」と
まるでカナリアの母親の様に
鳥かごに寄り添ってなだめていた。
４０年ほど前の話である。
さすがにケイコちゃん程ではないが、
ちょっとスズメと話した気になる三宅だった。
