父は正月休みになると
三宅を連れてよく屈斜路湖へ行った。
特に初日の出を見る訳でもなく、
屈斜路湖を見に行って
そのまま帰ってくるというイベントであった。
今にしてみれば帰りにどこかで
お茶でも飲めば良いのにと思う。
しかし冬の屈斜路湖は荘厳であり、
黒と白の世界で表現されるそれは
まさにアートであった。
今の三宅ならカメラを持っていこうとする筈だが、
父がカメラで屈斜路湖を撮っていた記憶は
ほとんどない。
何故だろう。
自分の目に焼け付けることの方が良かったのかも知れぬ。
屈斜路湖を訪れるなら冬がいい。
大自然の厳しさと、
美しいものが同居するのに
気がつく筈だ。