院長の「なんていうか」日誌

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滑走路までの道


三宅が飛行機を意識したのは
小学生の時に友人が「コンコルド」という
飛行機の模型を持っていたからである。
金色に輝くその置物は
三宅の目を釘付けにしたものだ。


男だからにして当然その模型を欲しくなるワケだが、
どこで売っているかしばらく分からなかった。
しかし東京の従姉妹がやって来た際、
ついにその謎は解けた。
女満別空港に売っていたのである。


「飛行機の置物は飛行場」でとは
なかなか当然である。
ただ値段は覚えていないが、
小学生の身分で買っていいような値段ではなく、
怖くて父には言い出せない額で
泣く泣く諦めたのである。


当時の女満別空港は小さくて、
YS-11というプロペラ機が着陸できる程度であった。
搭乗ロビーも現代の様に隔離されたものではなく、
建物の外に出てしまえば
自由に滑走路まで歩いて行けるほどフェンスも何もなく、
JRの無人駅みたいな有り様で
子どもながらに『ナンじゃこれ』と思ったものだ。


従姉妹が東京に女満別から帰る際、
見送る三宅家に飛行機の窓のブラインドを開け閉めして
自分の位置を知らせてくれたのが
今でも鮮明に思い出せる。


その頃の反動で三宅は、
自分の診療室に飾るほど
飛行機の模型を買い集める様になったのである。