「あんたの写真があったよ」
そう三宅の母親は言った。
昔の荷物から三宅の写真を引っ張り出してきたらしい。
おお、学生時代の写真である。
当時はスノーボードの流行はじめで、
同級生に誘われたのがきっかけであった。
週に2回もゲレンデに繰り出していたので、
今にしてみれば元気な学生だナァと思う。
大して滑りが上手いワケでも、
ジャンプが出来るワケでもなかったが、
海外にまで滑りに行ったので
ずいぶん入れ込んでいたのだ。
スノーボードは歯科医院の開業と共にぱったり止めた。
手をケガする訳にはいかなかったので、
卒業したのであった。
でも雪山を見ると今でもムズムズする。