「どのくらい痛いのっ!」
時として年齢が小さいにも関わらず、
歯科の治療に詳しい子がいて
びっくりすることがある。
だれでもそうであろうが
治療に際した関心事は『痛さ』であり、
場合によって壮年の方から
同様の質問を受ける場合があるほどだ。
子どもに話を戻すと、
常連の彼はその痛みが心配で仕方がない。
しきりに質問してくる。
「これくらい痛い?」
と自分の腕をつねって
痛さの確認である。
「とりあえず見せてヨ」
そんな三宅の言葉から横になって
見せてくれるその子は、
ベッドの枕に頭を付けるとこう言った。
「地獄だー!」
地獄とは上手いことを言う。
しかし5歳児の言う言葉ではないような気もする。
「地獄だぁぁぁ」
そういいながらこれから起きる事を心配している彼だったが、
実は三宅が既に麻酔をし終わった事に気がつかないのであった。
「えーと、とりあえずウガイして」
「これから麻酔するのっ?」
今日はもうこれ以上麻酔しませんヨ。