三宅が小さい頃に
父がコーヒーを飲むと
コーヒーカップの脇にちょっこりついて来た
銀色の容器があった。
「ミルクピッチャー」である。
この名前を知ったのは
歯医者になってからであったが、
ずっと欲しかったのである。
かといってコーヒーを家で飲むことは
ほとんどない。
純粋にこの容器が可愛くて
欲しいだけなのである。
40年経っても欲しいのが変わらないのは
未完了が残っているからだろうか…。
そんなある日。
不意に三宅の子どもからプレゼントされて来た。
どうして三宅がミルクピッチャーを
欲しいと分かったのであろう。
言ってないのに。
しかしコーヒーを家で飲まないのに…。
そう思ったら子どもがこう言った。
「はちみつ入れたら」
ナイスアイディア!