フイチン再見！（１０）

昭和を代表する女性漫画家の一人、
上田トシコ氏の一生を題材にした漫画がこの
『フイチン再見！』である。

実話に基づく作品であるが、
あまりに波乱万丈な女性で驚かされる。
特に戦時中のくだりはツラい内容なのだが、
明るく描写しており後味のいい漫画である。

この作品を読むまでこの女性漫画家を知らなかった。
しかし後半から登場する他の漫画家や作家たちが、
あまりにもビックネーム揃いで度肝を抜かれた。
手塚治虫氏が彼女のところへ相談に来るほどなのである。

蛇足だが赤塚不二夫氏も登場する。
彼への見方が180度変わった。
それにしても彼女の様な大物漫画家を知らなかったなんて！

写真は１０巻だが９巻目に
長谷川町子氏が登場して思わず泣いてしまった。
個人的な思い入れがあったので・・・。

１０巻で完結。
とても丁寧で主人公への尊敬の念が込められている。
読了感は感慨深い作品であり、
心に深く残った。

映画かドラマ化に耐える内容だ。
NHKが好きそう。
日本の漫画家に興味があるなら是非読んでほしい。

フイチン再見! 10 (ビッグコミックス)