三宅はソフトクリームが好きだ。
そうは言っても小さい頃の話である。
小学生の時代は北見のソフトクリームという
ソフトクリームを片っ端から食べていた。
主にミックスかチョコレートが好みである。
一番好きだったのは『まるしょうデパート』という
デパートの中で売っていた
チョコレートソフトであった。
確か150円くらいだったと思う。
そこのご主人はなぜかコック帽にランニングシャツという出で立ちで、
ソフトクリームをお願いすると
「ハイっ」っと元気に片手で差し出してきたのが懐かしい。
チョコレートというかココア味。
そのスイートさに心を奪われたものだ。
隣の『まるい伊藤デパート』にあった
ソフトクリームもまた美味しかった。
ここのマスターはクールであり、
顔色を変えずにソフトクリームを差し出してくる。
純喫茶のマスターの様な雰囲気だったと思う。
色も味もまさにチョコレート。
逸品だった。
今ではこれらのデパートは無くなってしまった。
そういう三宅もこの年齢になって
流石にどしどしとソフトクリームを食べれなくなった。
持て余してしまうのである。
嗚呼・・・。
夏になるたびに、
あの頃のソフトをもう一度食べたいと思う。
そこは変わってしまった三宅のお腹でも
変わらぬ想いである。