院長の「なんていうか」日誌

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冬の帰り道

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三宅が歯医者になりたての頃、

かなりスノーボードにうつつを抜かしていた。

 

はじめての夏季休暇。

友人に誘われるまま三宅は

冬のニュージーランドに立っていた。

南半球は季節が逆なのだ。

 

実のところ同行した友人は

新婚ホヤホヤのカップルであり、

三宅は全くの「お邪魔虫」そのもの。

鈍感力も甚だしい。

 

クイーンズタウンという観光地のホテルに到着すると、

夕食までにはずいぶんと時間があり、

ショップを見て回っても夕食までにはまだ遠かった。

 

流石の鈍感新米歯医者でも、

さすがにカップルとずっと行動を共にできるはずもない。

三宅は買い物を理由に

ひとりクイーンズタウンのショップ街へ。

 

しかしストイックなショップは午後6時には

おおむね閉店してしまい、

ホテルに帰るほかなくなってしまった。

 

木枯し吹く真冬のクイーンズタウンを

ひとり震えながらホテルまで帰る。

しかしクイーンズタウンは

どこか故郷の北見ににており、

わずかな街路灯を眺めながら

小さい頃を思い出し懐かしんでいた。

 

ホテルに着いても部屋に戻らなかった。

途方に暮れてロビーで座っていると、

オーナーと思しき年配の男性が話しかけてくれた。

 

三宅が日本人だとわかると、

カウンターの奥から日本酒を出してくれ、

一緒に献杯してくれた。

 

オーナーの優しさに触れて、

故郷に帰っている様な気持ちになった。

なぜか新婚ホヤホヤで

三宅をニュージーまで連れてきてくれた

友人にも感謝である。

 

 

その晩の夕食に出たスープが

ことのほか美味しかったのが忘れられない。