来月めでたく、歯医者になって30年を迎える三宅である。
「30年」と聞くとベテランと思われるかもしれないが、
まだまだヒヨッコであると先日師匠に戒められた。
かといって若手でもない上に
優れた先輩方をたくさん存じあげているので、
なんとも微妙な現在地であると思う。
知っている人は三宅が歯医者だと
当然のように見て頂けるのだが、
よく大型書店の店員と間違われて、
「パズルの本どこですか」と
先日も聞かれてしまった。
およそ歯医者に見えないのであろう。
旧知の知人からは、
「三宅先生、変わらないね」と
言ってくださるのだが、
流石に30年もの歳月が過ぎれば
本人の風貌も改まるというものだ。
毎朝自分の顔を鏡で見て、
ため息しか出ない。
経済的なことを考えると、
歯医者の風貌は変わらない方が
望ましいのだろうが、
時の流れは待ってはくれないのである。
ため息は出るが、
己の顔は嫌いではない。
生きてきた様に顔が作られるものであろうから、
それを否定することは家族やスタッフ、
来てくれる患者様に対して
失礼にあたると思うのである。
自分で自分の肖像をどう思うかは別として
もっと大切にしたい。