院長の「なんていうか」日誌

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トムとジェリー「天国と地獄」(1949年 アメリカ)

 

三宅が小さい頃は

夕方のテレビといえば

子ども向けのアニメ番組が放映されていた。

今と違って子どもの時間だったのである。

 

その中でも『トムとジェリー』は再放送の定番。

1年中放送されていたのだが、

それを1年中飽きずに観てるのが三宅であった。

 

その中でも三宅の心に残る1本を紹介しよう。

 

『天国と地獄(原題・Heavenly Puss:天国の猫)

 

邦題タイトルはどうやら

黒澤明監督の映画から来ている様に思う。

 

      ◆

 

ある晩のこと。

トムが暖炉の前で寝ている前を

ジェリーがこっそり通り抜ける。

テーブルの上の食べ物を頂戴するためだ。

 

しかしトムはジェリーに気付いていた。

静かに近づいたトムがジェリーに襲いかかり、

いつもの追いかけっこが始まる。

 

ジェリーは階段を駆け上がるが、

トムが階段に貼り付けてある絨毯を

引き剥がして捕まえようとする。

ところがジェリーだけではなく

絨毯の上に乗っていた段上のピアノまでもが

トム目掛けて落ちて来てしまうのであった。

バーン。

 

いつもならトムがペラペラになって

すぐさま復活するのだが、

今回だけは様子が違う・・・。

 

      ◆

 

小さい頃の三宅がこの作品が怖くて

仕方がなかった。

トムがエスカレーター!で天国に登るときに、

自分の身体をチラッとだけみて

振り返らないのがすごく怖かったのだ。

 

上の動画に示したのは

当時の放送の吹き替え版であり、

三宅が観たものだ。

 

天国の駅で駅員をしているのが

年老いた猫なのだが、

この方のアフレコが抜群に上手い。

 

駅員はトムがジェリーにいたずらばかりしていたからと、

天国行きの特急には乗れないと告げるのであった。

 

駅員はトムに天国へ行くための方法を教える。

慌てて地上に戻ったトムはジェリーに助けを求めるが、

ジェリーはいつものいたずらと相手にしない。

 

この時のトムを見て全く笑えない三宅。

 

さらには 、

後半に見せるトムの悲哀に満ちた表情が

三宅を怖がらせたものだ。

ギリギリのトムはどうなってしまうのか・・・。

 

恐ろしげなサウンドトラック(音楽)も素晴らしく、

鼻っから怖い話なのだが、

トムの人の良さを表した

いい話で心に残っている。

 

こういうレベルの高い内容が、

72年も前に存在したなんて・・・。

 

いちどご覧あれ。