「先生、暑いです」
そう歯科衛生士から指摘された。
室温計を見たら26度を超えている。
先週の金曜日には雪が積もったのに、
いきなり気温が20度を超えた。
おまけに太陽が燦々と照らしてくれたのである。
午前10時頃から
みやけゆう歯科医院の窓は全開。
夏ばりに扇風機を回して、
なんとか暑さを凌ぐ。
三宅は暑いのに強めと思うが、
数人の歯科衛生士は暑さに敏感である。
『先生、暑い』
言葉ではなく、
歯科衛生士の視線がそう訴えている。
クーラーはまだ掃除していなくて、
いきなりは使えない。
『先生、暑いですよ』
違う歯科衛生士が視線で圧力をかけてくる。
そうやって三宅が逃げ回っているうちに、
日が暮れていきなり外からの風が冷たくなり
あっというまに室温が下がる。
「窓を閉めて」
院長采配はここで。
はやくクーラーの掃除をした方が
いいみたい。