冒頭の陽気なジャズ「サンタフェ特急」がワクワクさせる。
このトムとジェリーは三宅のお気に入りだ。
◆
真夜中に走るサーカス列車で寝ている親子のゾウ。
ところが小ゾウが列車から転がり落ちてしまう。
落ちた先はトムが住む家であった。
トムのミルクを飲んで、
危うく見つかりそうになった小ゾウ。
しかし自分の家にゾウがいるとは夢にも思わないトムは、
ミルクを飲んだのはジェリーと思い込み追っかけ始める。
小ゾウは無事に母親の元に戻れるだろうか・・・。
◆
この1953年あたりはトムとジェリーが
最も脂の乗っていた頃の作品ばかりで名作ぞろい。
サウンドトラックに注目すると、
物語の進行と音楽が完全にシンクロしていて
感心するばかりだ。
劇中トムは何にも悪いことはしてないのに、
散々な目に遭ってしまう。
個人的にこの善良なトムがたまらなく好きだ。
(このあとトムが持ってくるモノが可笑しい)
小ゾウの名前「ジャンボ」。
実はディズニー映画「ダンボ(1941年)」のパロディである。
そもそも『ジャンボ』はダンボの母親の名前だ。
こういったセンスあるパロディをみると流石だなァと思う。
最後のオチも完璧。
全く隙のない作品で感動してしまう。
70年前にこのクォリティ、この想像力・・・。
製作者たちの熱意に脱帽だ。
あらためてもう一度観ようっと。