タイムスリップ

 夏休み。

今日も みやけゆう歯科医院には

たくさんの子どもが午前中からやってくる。

そういえば三宅も夏休みに

歯医者に通ったものだ。

冬休みというより夏休みの方が

『歯医者』を連想させるのは、

やはり6月までに行われる歯科健診の

あとの長い休みだからであろう。

そうして夏休みは

以前からの常連の子どもが

久しぶりにやってくる時でもある。

小さく母親に抱かれていた子どもが、

三宅と同じくらいの身長になって

その子が敬語を使ってくると、

なんだかタイムスリップしたような気分になる。

自分だけ変わっていないと

感じる三宅は図々しいと、

我ながら思う。