いつものように常連の
女の子が来ていたのだが、
三宅を見るなり「いた!」と
声を上げた瞬間に、
首を引き、
腕を体躯にぴったりつけて、
手は広げて両脇でそったように固定させ、
脚を揃えてピッと立っていた。
三宅の『ものまね』をしていたのである。
なんということでしょう。
まさか3歳の女の子が
三宅の真似をしようとは夢にも思わない。
しかも『三宅が子どもの診察の時』の様子を
つぶさに観察されていたのである。
アシストしていた歯科衛生士が
目を大きくしてプッと吹き出した。
その騒ぎに何事かと寄ってきた
他の歯科衛生士2名も爆笑していた。
それほど特徴を掴んでいたのである。
これは嬉しい。
嫌なものをわざわざ真似したりは
しないはずだから、
最大の賛辞であろうと思う。
しかし、
歯科衛生士たちは笑い過ぎである。