三宅が幼少の頃、
いつも伯母が買ってきてくれるのは
老舗菓子店のシュークリームであった。
大抵は20個買ってきてくれる。
ゆえにほとんどシュークリーム食べ放題な
生活を送っていたのだ。
結果として三宅の中で
このシュークリームがベンチマークであり、
トップであり、基本となった。
よくよく考えれば50年前に販売していた
シュークリームがいまだに手に入るなどとは、
スピードの早くなった昨今では
すごいことだと常々思う。
いまなお食べても美味しい。
ふと思うのは小さい頃の自分と、
年齢を重ねた自分とが同じ味わいで
シュークリームを食べているのか、
よくわからないのである。
年齢とともに三宅の嗜好も変わっているので、
もしかしたら『おいしい』の基準が
変わっているのではないかという
素朴な疑問であった。
確認のため、
シュークリームを頂くこととする。
うーん、1個食べただけでは
とんと分からぬ。
もう1個。