三宅が小さい頃の北見には、
いくつもの屋台が街に存在していた。
リアカーに屋台を乗せて、
笛を鳴らしながら売り歩いているのである。
記憶にある限り、
「水飴売り」「ラーメン」そして「石焼きイモ」が
あった。
今もイモ好きな三宅なのだが、
小さい時も好きであって、
石焼きイモ屋は三宅の羨望の的であった。
リアカーには焼きイモのための窯が載っており、
窯の蓋を開けると引き詰められた石の上に
イモが乗っているのである。
これがまたすごく美味しい。
残念ながらスーパーや移動販売で売っているものとは
まったく別な味で旨味が違う。
屋台が来ると母からお金をもらって
買いに走るのだが、
子どもの足ではなかなか追いつけなかった。
ようやく追いついて
美味しそうなイモを見せてもらったが、
なんとお金が足りないのである。
壮年の店主は困って、
小ぶりな焼き芋を取り出すと
包丁で1/3ほどに切ってくれた。
その焼きイモの美味しいこと・・・。
タイムマシンがあるのなら、
昭和40年代に戻って
石焼きイモを大人買いしたい。