そもそも『景品』という甘い響きに
三宅は弱かった。
スーパーでペットボトルを4本買うと
靴下が付いてくると云うので、
緑茶を4本購入。
いや、たまたま必要があったのだ。
TVショッピングなど特にそうだが、
こと物を売る際には『オマケ』があった方が
安価にするより売れるのだそうだ。
そんな法則をまんまと実証する三宅である。
ペットボトル4本と景品を持ち、
意気揚々と会計した。
するとあろうことかレジ打ちの女性が口を開いた。
「これは女性用ですが大丈夫ですか?」
レジの方は三宅がこの靴下を履くと思ったのであろうか。
いや購入しているのだから履くと考えてもおかしくはない。
「大丈夫です」
さあこの三宅の返事が適切だったかどうか今も分からぬ。
もしかして『女性用靴下でも履いちゃう男』と
思われたのではないだろうか。
しかしそんな心配を顔に出さずに
ペットボトルを袋に詰め、
堂々と靴下を持ち帰る。
履いてみようかしら。