「お願いだから。」
息子にせがまれて
実家に置かせてもらっていた
彼の自転車を引き取りに行った。
今年の北見は雪解けが早く、
市街を見る限りでは
雪や氷に覆われているような
路面はなくなっている。
ひと月くらい早い感じである。
三宅の自転車は家の裏に
置いてあったので
日陰で溶けぬ残雪の中を
どうにか引っ張り出し、
息子と実家に向かった。
息子が自分の自転車に
またがると、
既に身長が伸びていて
サドルが低い。
自転車をしまって
僅か数ヶ月なのだが
子供の成長は目覚ましい。
息子と自転車に乗って
しばらくすると
車とは歯科医が、いや、
視界が違うのに気付く。
おまけに景色がキレイでなのある。
これは不思議。
視点が違うからか、
夕暮れの時刻だからか
有酸素運動だからか解らぬが、
見慣れた街が彩り良く
鮮やかに見えるのである。
運動不足なんだ、きっと。
