「先生方のやってることは
占い師みたいなものでしょ」
いつだったか、誰だったか
三宅にそんな話をしてくれた人が居た。
医者・歯医者は『占い師』と
似た種の職業だと言う。
そういえば、
「所見」「症状」を「知識」「経験」から
「診断」に結びつけるのである。
聞けば占い師も同じ経過で
人の運勢を占うのだと聞く。
確かにそう言われれば
同じ一面があるかと思い
妙にに納得した。
当たるか、外れるか。
三宅が歯の病気を扱う仕事故に
外れて欲しい場合が多いが、
当たると「ほらね」と言いたくなるところだが
ぐっと堪える。
堪えると「当たってしまって」
物悲しい気分にもなる。
正しい占い師は、
人の不幸や金もうけについて
明快にわかっても
相手に言わないものなのだそうだ。
この話を聞いて
私は占い師にあこがれた。
この点で歯医者と占い師は
ちょっと違うのだが。