院長の「なんていうか」日誌

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味盲(みもう)



聞き慣れない言葉だと思うが、
「味盲」という専門用語がある。
これはある特殊な化合物の
苦味を感じる人と、
感じない人がいる。
「感じる」、「感じない」の差は
遺伝子によって決められる。


三宅が歯科大学の学生の時に
授業でこのテストをするのであるが、
三宅は「感じる」人で
非常にいやらしい苦さのする
味でいまも忘れられない。
ちなみに味盲だったのは
同じ学年で最も美人な
女子学生であった。



今日から三宅の子ども達は
学校が始まり、
気温は相変わらず高いままだが
三宅家の暑い夏は終わりを告げた。
本当に子どもがいないだけで
部屋の温度も低く感じるから
不思議なものである。


昼休みは家人を連れ出して
ミスタードーナツ
「おつかれさん会」を催した。
密かな歯医者の楽しみである。


しかし、
ミスタードーナツの奥の席で
声高らかに談笑しているのは
三宅が園医をしている
幼稚園のお母様方数名であった。


「園医なのにドーナツとは何事か?」


と訊かれたら


「歯みがきします」としか返答出来ぬ。


そう思うと
驚いたことにドーナツの味が違うのである。
ベタ甘の代名詞「エンゼルクリーム」が
さして甘く感じないのである。


これは発見だ。
緊張があると味覚が
変化するようである。
味盲とまでは言えぬが、
「味落」とでも表現出来ないか。
むし歯が多い子は
緊張の中で甘いものを食べているのでは
なかろうかと持病の発想が
頭を駆ける。



でもよくよく考えれば、
過去に全く味を感じない
食事があったことを
たったいま、思い出した。



はじめて家人の実家に
挨拶に行った時の
食事の味は未だに思い出せぬ。


全ての味覚が
味盲となった三宅がいた。