院長の「なんていうか」日誌

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15年前の彼


ほんの15年前の話。
東京での研修を終えてから
北海道の浦河町という港町の
とある歯科医院で
三宅は2年間働いていた。



当時、同じ診療所で働いていた
歯科技工士の子どもが、
北見の近くの街で就職しており、
今日、三宅の診療室を
尋ねてきてくれた。


三宅が彼とはじめて会ったのは
4歳頃である。
「おでこ」の大きな彼は
よくしゃべる男の子だった。
三宅は彼の歯を診たことがあるのだが、
治療の際にはピタリと話が止まって
上手に診療を受け、
終わると話しはじめる。
そんな元気いっぱいの彼の姿は
今も三宅の記憶に鮮明である。



15年ぶりに再会したが、
すっかり好青年になっていた。
もう成人である。
緊張があったかあまり喋らない。
三宅に負けない「おでこ」だけ
当時のままであった。



自分が歳を取った気分になった。
しかし、よく尋ねてくれた。
なんていうか強く嬉しいものである。




出会った人は
後にも先にも
大切なものなのだと
彼に教えられた午後であった。