先日タクシーを待たせていた。
市内出張である。
仕事に使う機材を持って
乗り込むと思いがけず
運転手さんが話しかけてくる。
「この木の実、なんて言うンですか」
「ヤマボウシです」
タクシーの方が
この木に関心を示したのは
初めてである。
植物好きなのだろう。
「食べれるンスかね」
「食べれますよー、ちょっと酸っぱいかな」
なかなか関心が強いようである。
もしかするとタクシーでバイトしながら
何か勉強をしている人かも知れないと思った。
「食べたら味しなかった・・・」
食べたんかいー!
その運転手さんは待ち時間の間に
ヤマボウシの実を採って
なんと食べていたのである。
「食べても大丈夫かなーって♪」
食べるのは良いのだが、
オンコの実のように毒があったら
どうするつもりだったのだろう。
いや、そんなことは気にしていないのだ。
違った感心をしている三宅に
その運転手さんはこう重ねた。
「あれだけ実がついていて、
もったいないッスねー」
まだ食べたいンか!!!