「すごい、すごい!」
朝の準備を終え、
自宅に戻ってきた三宅を見て
家人はそう言った。
そろそろ俺の凄さが分かったのか。と
内心満足していると、
家人はこう続けた。
「あなたが歩くのを追って
スズメがあっちこっち行くのよ。」
確かにそうなのである。
スズメのエサをやるようになって15年も経つと、
この界隈では有名になっているらしい。
スズメに。
それでスズメがついて回るのだ。
俺のことではなくスズメのことかと、
多少がっかりしていると
家人がさらに付け加えた。
「動物園の飼育員のおじさんみたい。」