北見には『銀座通り』と呼ばれる道路がある。
東京銀座のごとく賑やかな商店街という
ネーミングなのだろう。
三宅が小さい頃には
この銀座通りは本当に賑やかで、
休日になれば人があふれていた。
父の好きな喫茶店があったので
週末になれば必ずといって良いほど
三宅はこの通りを歩いていたのである。
今は昔。
日中には人もまばらで、
いくつかの店はシャッターを
下ろしたままになり、
寂しい通りになってしまった。
銀座通りを歩けば、
人に慣れたハシボソガラスが
三宅を迎えてくれた。
カラスも良いのだが、
やはり人がいないと寂しい。
或いは露落ちて
花残れり。
残るといえども
朝日には枯れぬ。