ペットショップに行くと
しばし時間を忘れて売られている犬たちを愛でる。
自宅に飼い犬がいるにも関わらず。
多くの犬は2度と会わない。
どこかに行ってしまうのである。
売れてしまうのか、
別な店舗に移動するのであろう。
いわば『一期一会』であるから、
人目を憚らずに声が出る。
「ドチタノー!」
面白いもので、
中には三宅に近寄ってエンジェル・アイを
投げかけて来る子もいて、
全く耐えられず、
「ドチタンデチュカー!!」
と映画が安くなる年齢に達したのに
オノマトペみたいな音を発するのであった。
この時、
自宅で待つ犬の顔を思い出し、
半分取り出した財布をしまう。