雪虫が飛んでいた。
正確に言うと、
『雪虫が飛んでいたのに気がついた』
であろう。
雪虫とはアブラムシの仲間が
白い綿状の物質を身体から出して、
身につけているという虫。
雪が降る前に発生することから、
冬の訪れを示す風物詩でもある。
『雪が少ないといいな』などと思いながら
日が暮れて診療室で仕事をしていると、
遠くから鳥の声がする。
「白鳥だ!」
北海道が寒くなってくると、
シベリアから白鳥がやってくる。
いつも春頃に帰るのを見送るが、
今年ははじめに挨拶しに来てくれた。
みやけゆう歯科医院から飛び出して、
カメラを抱えたが、
声はすれども姿を見つけることができなかった。
もう冬になっちゃう。