院長の「なんていうか」日誌

みやけゆう歯科医院のオフィシャルページ

ファイター

少女は泣きながら、
「いやだー!なんにもしないーっ。」


歯医者は、
「ちょっとだけ頑張ってぇ。」



「がんばらないもん(怒)」



「洗うだけだから。」


歯医者はおもむろに少女の体躯を持ち上げ、
診療台に持ち上げる。
その際に歯医者のみぞおち付近に
少女が蹴りを「ボスッ」と一発決める。


「!!」
ヒヤリと身構える間もなく歯医者は
少女の足を抑えようとする。
すると少女は歯医者のほっぺたをつかみ、
力の限り引っ張った。

「イターイ。」

少女は歯医者に振りほどかれた手で、
歯医者のネクタイを引っ張り、
再び歯医者のみぞおちに照準を定めた。
蹴りを入れようとした瞬間、
歯医者は少女の上から身体ごと
抱きかかえてしまい、
少女は手がでなくなってしまい叫ぶ。


「今日は頑張るー。」


「頑張ってー。」
という歯医者の声に、


「いや頑張らない。」
と返す少女。



「あらそう?」


・・・・・・。
あっという間にバスタオルで
ぐるぐる巻きにされ、
歯の神経の消毒を終えた少女は
母親にこう言った。



「痛くなかったね。」



みやけゆう歯科医院では
たまにこんな事がある。
もちろん母親の承諾済みであるが、
結構格闘技に近いのである。


しかたがない、小児歯科の専門医なのだから。


ああ、ドキドキした。