院長の「なんていうか」日誌

みやけゆう歯科医院のオフィシャルページ

空の上で本当にあった少し恥ずかしい話


三宅家が飛行機を使って
移動する時は
いつも家で握った『おにぎり』を
機内で食べるのが
家族の楽しみである。


ある日の移動は
朝一番の便であったため、
朝食抜きで空港まで出発。
予定通り機内に乗り込んだが、
誰もが空腹で飛び立つ前に
食べたいという声が上がった。


たまたま『おにぎり』の入った
カバンを持っていたのは三宅であり、
離陸してベルト着用のサインが
消えた時すぐに食べる事が出来るよう
三宅の手に持っていたのである。


ところが離陸した飛行機が
上昇して機首を上げ
その角度が30度近くに
なったとき、
おにぎりの1つが
三宅の手から落ちて
飛行機中央の通路を
一目散に駆け降りていったのである。


おお、なんたることだろうか!
離陸中なので追いかける訳にも行かぬ。
水平飛行になっても、
「私のおにぎりはどこですか?」などと
流石に乗客の足元を見て回る
訳にも行かなかった。
すぐに飛行機は水平になり
ベルト着用のサインが消えたが、


『ああ、おにぎりは失われてしまった・・・』


と、諦めていた矢先に
三宅に声がかかった。



「こちらのおにぎり、お客様のでいらっしゃいますね。」


「あっ・・・」


ANAキャビンアテンダントさんは
優秀である。
三宅が落としたおにぎりを
正確に届けてくれたのであった。
どうやって三宅の
おにぎりだと分かったのか
未だに謎だ。


三宅が『あうあう』している間に
キャビンアテンダントさんはこう続けた。



「びっくりしました。おにぎり『ころころ』でございましたね。」



そう言われて返す言葉もなく、
顔から火が出るような、
今思い出しても
こっ恥ずかしい話である。