院長の「なんていうか」日誌

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空の視線


「東京は暑かった」としみじみ思いながら、
三宅は羽田から飛び立った。


途中の航路は快適そのものであったが、
夏休みシーズンなので、
前方を見ても後方を見ても
子どもばっかり座っているのである。


しかも前方の子どもも、
通路を挟んで左手の子どもも、
三宅と目が合ってから
延々とこっちを見ているのであった。


職業病とも言えるが、
目が合った子どもには何らかの合図を送るので、
子どもの注目が三宅に集まるのは珍しくない事である。


しかし空の上でやるべきではなかった。
2人の子どもは常時三宅を見ている様になってしまった。
次なる芸を・・・と思ったが
さすがに48歳の歯医者はやめておいた。


そうするともう1つの目が
三宅をチラチラと見ている事に気がついた。
キャビンアテンダントさんである。


挙動不審に思われたか・・・。