院長の「なんていうか」日誌

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果物の誘惑


三宅はほとんど果物を食べない。


嫌いかと言われると
そうではないのだが
身体が欲しないのである。


小学生の頃は
果物と言えば珍しく高価なものであり、
頂き物のスイカがあれば
食べごろを狙い、
メロンがあれば兄とその権利で
衝突したものである。


いつだったかバナナを
沢山戴いた上に、
兄の干渉がなかったので
6本食べた事がある。


むきやすい皮、パンチある豊かな甘み・・・。
バナナは『神の食べ物』であると
小学生ながらに悟る三宅だった。


しかし、
当然の結果のように
三宅はお腹を壊したのである。
神様が食べ過ぎを戒めたのだ。



それが理由ではないと思うが、
大人になって果物を食べなくなった。
それゆえか
果物が発する「食べて、食べてっ!」という誘惑が
ことさら美しく思える
今日この頃である。