Tくんは小さい頃から
みやけゆう歯科医院に通う常連だ。
本当に小さかった彼は
はじめての日に診療台に上がり、
三宅の顔をのぞき込んで
めそめそと泣きはじめた。
時として歯医者は無粋なもので、
手術台の上に乗せてから
「どうされましたか」と質問をするのだが、
『まな板の鯉』を3歳の子どもが体験すれば
それは怖いだろうと思う。
時は過ぎ、
Tくんも中学生になり
もうすぐ三宅の身長に届きそうな
イケメンになってきた。
しかし診療台に乗る彼は
自信に満ちた眼をしているが、
10年前と変わらず控えめで
とてもかわいく見えるのであった。
「いつも来てくれてありがとう!」と
アタマを掴んで
髪の毛を[ごしゃごしゃ]と
かき回したい!
これからも子ども達の為の
仕事がしたい。