院長の「なんていうか」日誌

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セスナの夢


父はことある度に、


「セスナに乗りたい」


と家族に漏らしていた。


父は飛行機に乗ると
子どもを差し置いて
窓側を占拠する男であり、
離陸から着陸まで
窓ばかり見ている人であった。


恐らく自分の住む北見の街や、
オホーツクの景色を
機上から眺めたかったのだろう。



しかし、
母の頑強な悲鳴に近い反対から
父の望みが叶うことはなかった。





さて、
三宅が父と同じ望みを持つかどうかは、
家人の悲鳴を聞きたくはないので
今のところヒミツである。