院長の「なんていうか」日誌

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おおかみこどもの雨と雪(2012 日本)*ネタバレ注意


「私が好きになった人は、“おおかみおとこ”でした。」


そんなキャッチフレーズで
映画『おおかみこどもの雨と雪』は昨年公開された。
興収は40億円を超え、
アニメーション映画としては
異例のヒット作となった。


        ◆


東京の大学に通う[花]は19歳。
彼女と同じ授業を受けていた[彼]と恋に落ちるが、
彼から告白されたのは彼が絶滅寸前の「おおかみ男」だと
いう不思議であった。


2人は人知れず子どもをもうけ
幸せな毎日を送るが、
突然[彼]は事故死してしまう。


[花]は第1子の姉[雪]と弟の[雨]を
立派に育てる事を決意するが、
人間社会でオオカミの子どもを育てるには
あまりに目立ちすぎるのであった。

        ◆



全編に渡って自然の表現がすばらしく、
時には冷徹なほどである。
CGの使い方が上手く、
(植物の)花に対する愛情が伝わり、
花や風の香りがしそうなほど。


特に物語中盤の「雪原シーン」は
表現の斬新さとスピード、爽快感合わせて
近年のアニメーションでは屈指の名シーンではないか。
宮崎駿監督はこの作品をどう思っただろう。



映画のテーマは『親子』だそうだが、
三宅は『子育て』がしっくりくると感じた。


主人公が出会って恋をして子どもが出来る。
優しい音楽とともに描写される
妊娠から出産までの『雰囲気』は
とてもリアルで泣かずにはいられなかった。


[雪]と[雨]が自分の子どもに見えて仕方がないため、
爽快なシーンは爽快だし、
危険なシーンはいてもたってもいられなくなった。
三宅だけだろうか。


やがて巣立ちの時期がやってくる。
[雨]との別れの朝に[花]が最初に叫んだセリフには
正直驚かせられた。
親の気持ちとして極めて正確な心情である。
そう思うとまた涙が出る。
ぜひご自身の目で確かめてほしい。


おおかみこどもの雨と雪』は
観る人によって評価が変わるかも知れぬ。
切なく爽やか。そして晴れやか・・・と言ったところか。



[花]の様に潔く「子離れ」出来るかと
自問しても自分には答えが出ない。


そんな訳で三宅は余韻に浸っている。
もう一度観てみよう。


おおかみこどもの雨と雪 BD(本編1枚+特典ディスク1枚) [Blu-ray]

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