院長の「なんていうか」日誌

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「このあとどうしちゃおう」


新進気鋭な絵本作家『ヨシタケ シンスケ』氏の
最新刊が「このあとどうしちゃおう」だ。


この方の視点は素晴らしく、
既刊の絵本「ぼくのニセモノをつくるには」や
「もうぬげない」では相当笑わせられたものだ。
新刊もそういう本だと思って手に取ったが
ちょっと違っていた。


まずは主人公のおじいちゃんが他界した後から
話が始まる。
孫の彼がおじいちゃんのベットの下から、
「このあと どうしちゃおう」と書かれたノートを見つけて
親子で読むのだった。


天国に行くまでの格好とか、
天国の予想図とか、
「生まれかわりセンター」で何に生まれかわろうとか
面白可笑しく描かれている。
要するに『終活の後』を記したもので、
死後どうするかがノートされているのだ。


この手の作品に弱い三宅は
娘に読みながらぐっと詰まってしまった。
個人的に可笑しいのは、
「死んだら有名人に会いに行こう」と考えているのが
三宅と同じでなんだか嬉しい。


特別なオチはない。
それでも読後にじわじわと感動を呼ぶ。
深く優れた絵本だ。
「このあと どうしちゃおう」ノートが
主人公の彼を安心させるのだが、
どうしてだかは本を手に取って
見て頂きたい。



ちなみに三宅は手塚治虫に会いに行く予定である。